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音について

◆音◆
宇宙空間など真空で何もない状態では音は聞こえません。人間の耳に音として伝わるためには一定の媒体が必要です。
私たちが日常聞いているのは一般的に空気振動を音として聞いています。
空気中の音は疎密波であり縦波です。波の最大値を振幅、一秒間に発生する波の数を周波数といいます。


◆音の速さ◆
音の伝わる速さは媒体によって変わります。
常温の空気中→約340メートル毎秒
水中→空気中の約4倍。
鉄→空気中の約14倍。
光の速さは毎秒約30万キロメートルですので、雷が鳴ってから一秒後に「ゴロゴロ」音がしたら、雷までの距離はおよそ340メートルと言うことになります。
空気中の音の速さは温度によって違い、1度上昇すると0.6メートル毎秒だけ速くなります。

◆音の高さ◆
音の高さはその振動数によって決まります。多ければ高い音になり、少なければ低い音になります。
上の図の波長の一つの周期が一秒間に何回繰り返されたかを周波数と呼び、単位はHz(ヘルツ)で表します。 例えば1000回繰り返されると1000Hzと言うようになります。
※人間の聞くことの出来る音の高さの範囲は20Hzから20000Hzと言われています。
ピアノの場合一番低い音が27.5Hz、一番高い音が4186Hzになります。

◆音の大きさ◆
音の大きさは上の図の振幅の幅が音の大きさになります。
音の大きさは音の強さ(音圧)とも言われ、単位は一般にパスカル(Pa)が用いられます。
基準の値として20μPa(マイクロパスカル)を0デシベルとしています。

デシベル(dB
正常な耳が聞くことの出来る最も小さい音(20マイクロパスカル)と、正常な耳の人が聞くに耐えられる最も大きい音 (1000dyne/平方センチメートル)の間には500万倍の差があり、このような広い範囲の数値を扱うには対数の尺度を使うと便利になります。
電話を発明したことで有名なアメリカのアレクサンダー・グラハム・ベルは範囲の巨大な音圧レベルを扱うために、 ベルという単位の10分の1のデシベル(dB)という単位を用いる方法を開発しました。
デシベルは2つの音圧(SPL)の比を表しているもので、決まった絶対値というものはありません。
(例)
6デシベルは約2倍。10デシベルは約3倍。20デシベルは約10倍。40デシベルは100倍。


<音の大きさの目安>

※80㏈を超える音を聞き続けると騒音性難聴になる可能性があるそうです。