HOME >> 補聴器を使っている方

補聴器はあくまで聞こえを助けるものであり、 難聴の程度や状態によって効果もそれぞれ違ってきます。残念ながら現在のところ100%の満足を得られる補聴器は存在しない為、 今現在、補聴器をお使いのユーザーの方々も、常に今より良く聞こえる補聴器があるのではないかと言う気持ちを持っておられるでしょう。
あるメーカーのアンケートでは、数箇所以上の補聴器取扱店から、補聴器を買ったことがある方がほとんどであったという結果もあり、 どんなに今の補聴器に満足している方も、「もしかしたら…」と言う気持ちで、別の補聴器や別の補聴器店のことを考えることは止められません。

補聴器に関して、出来ることと難しいことがあります。

実際に補聴器を使ってみると、カタログやお店の説明と違うところが見つかるでしょう。
最も多くの方が不満に思っているのは、「言葉がはっきりしない」と言うことだと思います。
純粋な伝音難聴を除くほとんどの難聴が、補聴器をかけても100%の明瞭度を得ることは出来ません。近年、補聴器メーカーの発表する新技術は、 全てこの一点に絞られていると言っても過言ではありません。
人間の耳の機能については分かっていない事も多く、ここ数年コンピューター技術の進歩で急速に良くなった補聴器をもってしても完全な聞こえを実現することは出来ません。

バランスが大事

完全なものが存在しない以上、補聴器を購入する際にはバランスを重視することが重要です。
個人によって価値観が違うように、大事にすることもそれぞれ違っています。より良い聞こえが大切なのは最もですが、 その上で価格、見た目、操作性、保証やメンテナンス性、将来の拡張性やオプションの充実度など、 それぞれ重視する項目を満たした上でバランスの取れた補聴器を選ぶことが大事です。

◆最新高性能RICタイプ◆ ◆エントリークラス、カナルタイプ◆
◆スタンダード、CICタイプ◆

◆補聴器選択の考え方◆
最重要項目:操作、管理面。通常は補聴器の着脱に関しては本人がしなければならず、どんなに良く聞こえる補聴器でも装用できなければ0点です。補聴器を使われるのは高齢者の方が多いため、使いこなせるかどうかが、最も重要な要素です。
高齢で寝たきりの方の場合など、ご自身で箱型を操作されたり、ご家族が耳穴式をはめてあげて、そのまま一日を過ごされ、寝るときにはずしてあげる様な使い方をされている方などがあり、どちらも他の条件より装用を最優先させた使われ方と言えます。

補聴器に関するトラブル

◆実際にあった話◆
●80代男性:大手メガネチェーンで両耳にフルコンチャタイプの耳穴式を購入したが、十分な聞こえもないのにハウリングが止まず、 30キロの道のりをバスに乗って毎月のように店に行っていたが、それでも止まず、購入から2年程経った頃、「この補聴器はこれ以上音を大きく出来ない」、 「今両耳で70万円でいい補聴器があるのでそれを新しく買わないか」と言われた。
(メガネ店のパートや派遣の職員さんが度々にかわってしまい、十分なフィッティングが行われなかった結果でしたが、 低域をカットした補聴器特性や耳型の状態など、出力を上げようとしたり、ハウリングを止めようとした形跡は見られませんでした。)

●50代男性:購入から4年程度経過したCICタイプの小型耳穴式補聴器が、音は正常になっていたものの、レシーバーが陥没したため、 購入した専門店に修理依頼したところ、 「この補聴器はもう修理不能なので新しく補聴器を買ったほうがいい」と言われた。
(その後私共に修理依頼がありメーカーに送ったところ、通常より大分経ってから修理不能との返事が来ました。 別の方の同一機種の修理はその後も可能であったことから、修理依頼があった後に購入した専門店に確認して、 修理不能というかたちの口裏を合わせたと思われます。)

前者はメガネ店さんにこれ以上通われても改善の見通しが立たないため、こちらで補聴器の調整をさせて頂き、 幸い耳型の修正をせずに改善することが出来ました。
後者はメーカーに送ってもシリアルナンバーでチェックされ、修理してもらえないので、こちらでレシーバーチューブの交換等で修理対応いたしました。

補聴器関係のトラブルにあわないために

上記は特別なことではなく、誰にでも起こりうることです。
補聴器が初めての方のページに書いてあることと重複するところもありますが、トラブルを避けるためのチェック項目を覚えておいて下さい。

 カタログや保証書によく目を通す。(保証期間やその後の修理代金、 返品や修正可能な期間、その他の免責事項など重要なことが書いてありますので、よく読むことが大切です。)

 クーリングオフについての説明を受ける。(販売店側の義務であるため、 クーリングオフに該当する場合、説明を受けていなければ、何年先でも返品は可能です。)

 修理は可能であれば複数個所から見積もりを取るのが一番ですが、 時間がかかり過ぎて現実的でないので、修理完了後には、メーカー発行の修理明細書をもらいましょう。 (販売店ではなくメーカー発行であることに意味があります。)