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 長年、お客様のお話を伺っていると 、最も身近な家族の言葉が最もわかりにくいという話を良く耳にします。特にご夫婦の場合、お互いの声が最も聞こえにくいということが多くあります。
「あんたの声はよー聞こえる」、「ここにくると耳が良くなった気がする」と言って頂く事がありますが、 少し気配りをすることでコミュニケーションが円滑になっていきます。

周りの方の理解が勇気を与えます

補聴器を求めてこられるお客様を見ていると、ご本人は必要を感じていないのに、ご家族が困って連れて来たという場合があります。
加齢による難聴は徐々に進行していきますので、長い時間の間にその状態に慣れていくことになります。それゆえ、テレビの音がだんだん大きくなっても、 本人はあまり気づきません。「呼んでも返事がない」「質問と答えが一致しない」など、周りの方が先に気が付くことも多くあります。

◆「都合のいいことだけ聞こえる」「悪口は良く聞こえる」◆
加齢などによる感音性難聴では、最も大きな症状として言葉がはっきり解からなくなると言うことが起こります。 私たちが言葉を理解しようとするとき、 耳から入る情報だけで理解することは少なく、話し手との関係や最近の状況から大まかな予想を立て、 表情や口の動きなども参考にしながら、 自分の知っている言葉の中からあてはまりそうな言葉を組み合わせて理解していきます。そのため、 普段よく話している方といつもの話をするときは、 適当に聞いていても大体わかるのに対し、 初めて聞くような話では何度聞き返してもわからないと言うこともおこります。
受動的に入ってくる音に反応するだけでなく、意識して用意をしておかないと、不意に話しかけられたときは耳の良い人でも聞き返すことになります。

勘違い

ぼんやりしていて、呼んでも返事が返ってこなかったり、 質問と答えがちぐはぐだったりすると、聞こえていないと思われるだけでなく、場合によっては「認知症」の始まりではないかと心配される方もあります。
確かに高齢の方がぼんやりして見られるとその様に見えてしまうこともあるでしょう。
以前、家族の問いかけにほとんど反応の無かった方が、補聴器をつけるようになって、見る見るしっかりしてきたと言う方もあります。
「認知症」の判定は専門医で無ければ無理ですが、一度しっかり耳を調べて、必要であれば補聴器を使ってみることでわかってくることもあります。
聞こえていないことで閉じこもりがちになったり、出かけることも無くなったという方も多く、 人と接する機会が少なくなることで表情も口数も少なくなったという方もあります。
直接的な関係は証明できませんが、難聴が進行することでコミュニケーション不足になり、 老人性欝状態から認知症の要因になるという研究結果もあります。